【電気基礎】リレー配線が「スパゲッティ」に見える理由!24Vと200Vが混ざっても爆発しない秘密とは?

記事タイトル「リレー配線がスパゲッティに見える理由」と、整線された制御盤のイメージ。 設備保全

「教科書では4本線なのに、現場のリレーは線だらけ。正直、最初はどこを測ればいいか分からなくて、盤を閉じそうになりました…(笑)」

お疲れ様です、岡山県の工場で機械メンテナンスをしているエンジニアのナオです。

制御盤を開けてリレーを見たとき、「24Vの指令線」と「200Vの動力線」が同じリレーに刺さっているのを見て、「これ、混ざって爆発したりしないの?」と不安になったことはありませんか?

実は、リレーには『異なる電圧の世界を完全に切り離す魔法』が隠されています。今回は、新人保全マンが必ずぶつかる「リレー配線スパゲッティ問題」の解き方を、現場視点で解説します!


1. なぜ実物のリレーは線が「4本」以上に見えるのか?

保全の勉強を始めたばかりの頃、私は「リレーを動かす線が2本、スイッチになる線が2本、合計4本あれば動くはず」と思っていました。ところが、現場の実物は10本以上の線が刺さっていることも珍しくありません。

その理由は、主に2つあります。

① 隣り合うリレーを繋ぐ「渡り配線」

制御盤の中では、多くのリレーが同じ電源(0Vや200V)を共有しています。そのため、1つのネジ端子から隣の端子へ、さらにその隣へと数珠繋ぎに配線されることがあります。1つのネジに2本の線が刺さるため、見た目のボリュームが倍増し、スパゲッティ状態に見えてしまうのです。

② 1つで4役こなす「多極リレー」

衝撃的だったのが、「1つの磁石(コイル)がONになると、4組のスイッチが一斉にONになる」という仕組みです。 ひとつの命令で「電磁弁を動かす」「パトライトを光らせる」「PLCに信号を戻す」といった複数の仕事を同時にこなせるため、それぞれのスイッチ(接点)に配線が集中し、線が増えていたのです。


2. 現場の「2つの世界」を地図(回路図)で解読!

リレー配線を攻略するコツは、「24Vの指令回路」と「200Vの動力回路」という、全く別の2つの世界に分けて考えることです。

工業用汎用リレーの配線図解。青い線(DC24V指令回路)と赤い線(AC200V動力回路)が色分けされている様子。

青い世界:指令回路(DC24V)

PLCがリレーを「電磁石」にするための回路です。

  • 行き: PLC出力(Y線)からリレーのコイル(13番端子)へ。
  • 帰り(0V): リレーのコイル(14番端子)から、共通の帰り道である N24(0V)ライン へ。

赤い世界:動力回路(AC200Vなど)

リレーがスイッチとなって、電磁弁などを動かすための回路です。

  • 入り口(COM): 200V電源(101番など)がリレーの共通端子(9番端子)で待機。
  • 出口(NO): リレーがONした時だけ、電磁弁への送り線(5番端子)から電気が流れます。

3. 24Vと200Vが混ざっても「爆発」しない秘密(絶縁)

「同じリレーに24Vと200Vが刺さって大丈夫?」という私の不安を解消してくれたのが、リレー内部の 「絶縁(ぜんえん)」 という仕組みでした。

リレーは、電気を 「磁石の力」 に変えて情報を伝えています。

  1. 24Vが流れてコイルが 電磁石 になる。
  2. 磁石が物理的な鉄の板を カチッ と引き寄せる。
  3. その板が離れた場所にある200Vのスイッチを物理的に押し下げる。

青い線の回路(24V)と赤い線の回路(200V)は、リレー内部でも金属的に繋がっておらず、空気やプラスチックの壁で仕切られています。磁力だけで情報を伝えているから、電気が混ざって爆発することはない のです!


4. まとめ:迷ったら「マークチューブ」と「N24」を探せ!

一見ぐちゃぐちゃな配線も、ルールを知ればただの「整理された情報の束」に見えてきます。

  1. 「N24」は実家への共通出口: 青い線の「N24」は、みんなが電源ユニットへ帰るための共通ルートです。
  2. マークチューブの番号を信じる: 図面上の番号(Y108Bや101)が、実際の線の番号と一致しているか確認するのが保全の第一歩です。
  3. 絶縁を信じる: 役割が違う線同士は、中で繋がっていないとわかれば、落ち着いてテスターを当てることができます。

最後に:音がしない時は「帰り道」を疑おう

リレーが動かない(音がしない)時、つい「PLCからの信号(行き)」ばかり疑ってしまいますが、実は 「帰り道のN24(0V)」が抜けていた というのが現場あるあるです。迷った時は、一番下の段に刺さっている「N24」の青い線をチェックしてみてください!

【あわせて読みたい】リレーがわかれば、センサーも怖くない!

今回はリレーの「2つの世界」について解説しましたが、実はこの知識、センサーの配線でもめちゃくちゃ重要になります。

私は先日、この「共通の帰り道(コモン)」のルールを勘違いして、新しく付けたセンサーアンプの電源が入らないという冷や汗もののトラブルを経験しました……。

日本の設備だからといって「NPN(シンク)配線」だと思い込んでいると、私と同じ罠にハマるかもしれません。

次の記事では、「日本メーカーなのにPNP(ソース)配線だった事件」を例に、図面から一瞬で配線方式を見抜く裏ワザを解説します!

[【保全の罠】新設センサーが動かない!?PNPとNPNの「決定的な違い」と見分け方]

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