【保存版】センサーが反応しない!ランプ点灯・断線・電圧降下…原因を見抜く5つの診断手順

設備保全

お疲れ様です、Naoです。

機械が止まって呼び出され、「あ、これセンサー(オートスイッチ)が反応してないな」と気づく。 ここまではいいんです。

問題は、「センサーを新品に変えたのに、まだ反応しない時」や、 「センサーのランプは点いてるのに、機械が動かない時」です。

「えっ、配線も合ってるし新品だぞ? なんで!?」 と焦ってしまいますよね。

今回は、私が現場で実際に使っている「センサー故障の全チェックリスト」を公開します。 配線は合っているはずなのにおかしい時は、この5つを順番に疑ってください。

① 位置ズレ(一番多い!)

まずはこれです。故障を疑う前に、物理的なズレを確認しましょう。 シリンダーの振動で、センサーの固定バンドやネジが緩んでいませんか?

  • 診断: ネジを緩めて、センサーを前後にスライドさせてみてください。 それでランプが安定して点灯すれば、単なる位置ズレです。 「一番明るく光るど真ん中」で固定し直しましょう。

② ケーブルの異常(断線・被覆剥け)

シリンダーは激しく動く装置なので、ケーブルトラブルは付きものです。 ここで注意したいのが、単なる「断線」だけではない、という点です。

  • 断線チェック: ケーブルを手でクネクネ動かしてみてください。一瞬でもランプがチカッとするなら、内部で断線しかかっています。
  • 【重要】被覆剥けによる「電圧降下」: 稀にですが、ケーブルが機械に挟まって「被覆が剥けている」ことがあります。 芯線がフレーム(アース)に触れたり、切れかかった状態で抵抗が増えると、本来24Vあるはずの電圧が12Vくらいまで下がってしまうことがあります。 こうなると「センサーは12Vでも光るが、PLCは電圧不足でONしない」という厄介な現象が起きます。 見た目で被覆が破れている箇所がないかも要チェックです!

③ 「ランプ詐欺」に注意(信号線のみ断線)

これが今回一番伝えたいポイントです。 3線式(電源別)のセンサーの場合、電源線(茶・青)が生きていれば、センサー本体のランプは点灯します。

しかし、肝心の「信号線(黒)」だけが切れていたら、PLCには信号が届きません。 これを私は「ランプ詐欺」と呼んでいます。

  • 見分け方:
    • 現地センサー:点灯
    • 盤のPLC入力ランプ:消灯 この状態なら、間違いなく「黒い線の断線」か「端子台の緩み」です。

④ センサーの「接点溶着」(有接点の場合)

最近は減りましたが、古い設備の「有接点リードスイッチ(2線式)」の場合に起こります。 内部の接点(金属の板)がくっついたまま離れなくなる故障です。

  • 症状: シリンダーが離れても、センサーがONのまま消えない
  • 対処: センサーをドライバーの柄などで軽くコンコンと叩くと直ることもありますが、寿命なので交換推奨です。

⑤ 一番厄介!「PLC入力ユニット」のパンク(短絡)

1番から4番まで全部チェックした。 センサーも新品に変えた。配線もテスターで導通チェックした。 それでも直らない場合、犯人はセンサーではありません。

「PLCの入力ユニットそのもの」が壊れています。

  • 原因: 過去にショートさせたり、過電圧がかかったことで、PLC内部の回路(フォトカプラなど)が焼けてショート状態(ON固定)や断線状態になっています。
  • 見分け方: PLCの入力端子から、センサーの配線を物理的に外してみてください。 線を外しているのに、PLCの入力ランプ(Xランプ)が点灯したままなら、100% PLC側の故障です。

この場合、いくらセンサーを交換しても一生直りません。 入力ユニットを丸ごと交換するか、「壊れた端子を使わず、別の端子に引っ越し(振替)」する修理が必要です。

※この「接点の振替(アドレス変更)」の具体的なやり方については、長くなるので次回の記事で詳しく解説します!


【コラム】私の失敗談…「水回り」で有接点を使って怒られた話

今は耐久性の問題などから有接点のリードスイッチはあまり使われなくなっていますが、私が新人だった頃、水がかかる設備のセンサー交換でこっぴどく怒られたことがあります。

当時、「有接点」と「無接点」の違いもよく分かっていなかった私は、 「とりあえず形が合うからこれでいいや!」 と、水浸しの設備に「有接点リードスイッチ」を取り付けてしまったんです。

結果、すぐに壊れました(笑)。 有接点は内部に物理的な接点があるため、水や油、振動が激しい環境には不向きなことが多いのです(※防水タイプもありますが)。

「環境が悪い場所(水・油・高速動作)には、必ず『無接点(ソリッドステート)』を選べ!」 これは当時の先輩から叩き込まれた教訓です。皆さんも交換部品の選定ミスにはご注意を!

まとめ

センサーがおかしい時は、以下の順でチェック!

  1. 位置ズレ: スライドしてみる。
  2. ケーブル異常: 断線だけでなく、挟み込みによる「電圧低下(12Vなど)」がないかも見る。
  3. ランプ詐欺: センサーだけでなくPLCのランプを見る。
  4. 溶着: 叩いてみる(有接点のみ)。
  5. PLC故障: 線を外してもPLCが光りっぱなしか確認する。

まずは落ち着いて、1番から順に潰していきましょう。 もし5番の「PLC故障」だった場合は、通常の交換作業だけでは直りません。

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